UXデザインとは何か?について考えてみた

以前参加したセミナーで、UXデザインについてお話を聞く機会があったので、
どうせならと思いこのブログでまとめてみることにします。

実際UXデザインについての考え方であったり、知識については自信はなく
「これはUXデザインだ」と意識して取り掛かっていないことのほうが多いのです。
つまり意識的にUXだと思って取り組んでいることのほうが少なく
結果的に構築できていたことがあるものの、UXについてはなんだかふわーっとしていました。
また、実情として、ウェブに携わる場合にUIへの配慮に気がまわり、UXまでいかないことのほうが多いのです。

ただ私自身がデザインに携わるものとして、ここらへんは人に説明できるくらいの知識は必要だと思っています。
その備忘録、私個人の認識的な感じでこのブログはかかせていただきますのであしからず。
では、さっそく。

そもそも、UXデザインって何?

UXデザインとは、UserExperience(ユーザーエクスペリエンス)デザインの略語。
『ある製品やサービスを体験した時に得られる体験』のこと、これを簡単にいうとユーザー体験といいます。
それらをデザインしたものがUXデザインと呼ばれます。

UIとUXの違いとは?

ここで突然ですが
あなたは今、銀行にお金をおろしにきています。
ATMの画面をいつも通りあなたはタッチして「お引き出し」「暗証番号」「おろしたい金額」「確認」と表示されているボタンをおしていき、無事お金をおろすことができました。

そう、これがUIです。誰もが使いやすいように、情報が整理されているからこそ迷うことなくお金がおろせます。
スマートフォンサイトのアプリなどでも求められる部分です。

しかしながら、このATMを使用している時間は少し長かった、そのためこのATMにはお客さんが並ぶことが多くなったのです。
結果的に「お金を引き出す」という銀行の体験は悪くなってしまいました。
これをUXといいます。
自分が体験したときに得られる、(すなわちスムーズにことが運べは気持ちがよいし、並んで待たされれば腹が立つといったような)この体験でユーザーはどうするか(今後利用するかどうか)ということを決めてしまうのです。

■UI(ユーザーインターフェイス)

使いやすいように、わかりやすい画面で、間違えにくい、美しい情報デザイン丁寧な説明。

■UX(ユーザーエクスペリエンス)

どんなにいいUIでも、ユーザーの視点からすると問題の解決には当たらない。
もっと簡単に言うとUIデザインは「物のデザイン」、UXデザインは「ことのデザイン」ということになります。

UXデザインの範囲はどこまでなのか?

先ほどのATMの利用の例でいうとUXデザインは全てを指します。

UXデザインの定義がわかったところで、ここからが本題です。
では、UXデザインをするにはどういった考え方をするのか?

まずは以下を実行する必要があります。
①観察をする
②アイディアをだす
③プロトタイピング
④テスト

この4つをまず行います。

ここからは20年以上もの経験を持つベテランデザイナーの”ダグさん”という方の実例に沿って話を進めたいと思います。

ベテランデザイナーのダグさんは、自分がデザインしたスキャナを設置するため、ある日病院を訪れました。
無事設置して病室から出ようとしたとき、入れ違いに入って来た子供とその家族の姿を見ました。

子供はまだ7歳くらいの幼い少女で、ダグさんのデザインしたスキャナのユーザーとなる患者でもありました。
そして、その少女はスキャナを見た途端、怖がって泣き出してしまったのです。

薄暗い部屋に設置された低い音を立てる見慣れない大きな機械の内部に入るのが、どうしても嫌だと泣いて訴えていました。
そして、そんな少女をどうしてなだめればいいのか判らず、途方に暮れている両親の姿。
患者である子供のほとんどがこの少女と同じような反応を示し、鎮静剤が使用されていることを病院側から知らされたとき、ダグさんの心は打ち砕かれました。
ここでダグさんはまず患者となる子供たちの観察をしています。
そして「幼い子供が病気になるだけで十分大変なことなのに、私がデザインしたスキャナのために、その子供や家族が余計な恐怖と苦痛を経験している・・・」ということに気づきました。
そして、この問題を解決するために、機能やユーザビリティではなくユーザーの経験(エクスペリエンス)を改善するための新プロジェクトがすぐに開始されました。

ユーザーである子供たちの気持ちを理解し、どうすれば彼・彼女らがスキャナを楽しく使えるのか

この課題を追求するために、ダグさんのチームは、地元の保育園で子供達や子供の教育、医療に関する専門家らと数多いブレインストーミング・セッションを行いました。

そして子供達について徹底的に学び、【子供たちが楽しいと思う経験は何か】を明確にしました。
つまり相手の意識を想像し、自分の意識に反映させる共感をおこない、
そして次に

・スキャナの外観や環境が、子供たちの恐怖感や不安感を増す。
・精神的苦痛を和らげるために、子供たちの80%に対して鎮静剤が使用される。
・スキャンに必要な数分間、中にいる子供たちは身動きすることができない。

という定義を明確にしたうえでアイディアを出し合いました。

ここでは試作品として「ジャングル・アドベンチャー」というものが出来上がります。

ジャスミンの香りが立ちこめられている部屋に入ると、そこにある踏み石が並べてある道の上を歩く。
上部から流れる青い照明の下にある、その道を歩いていくと、 横には鯉が泳ぐ池が見える。
スキャナの中にはカヌー・ボートが置かれており、子供たちは 「池の中から鯉が飛び跳ねるかもしれないから、この中に横たわって動かずじっとしていてね」と聞かされる。
子供たちの五感を楽しませるデザインでした。

このジャングル・アドベンチャーのデザインが導入されたとき、それまで嫌がっていた子供たちが、自分から進んでスキャナの中に入っていくようになりました。
機能的には全く同じスキャナですが、ユーザーである子供達の経験は劇的に変わりました。
スキャナの中でじっとしていなければならない間も、「一体自分には何が起こるのだろう」という恐怖と不安から 「いつ鯉が池の中から飛び出してくるのだろう」という期待と喜びに変わったからです。
ダグさんは、新しいユーザー経験をデザインすることで【恐怖と苦痛】を【期待と冒険】に変身させたのです。

ジャングルアドベンチャーに続き、ダグさんは海賊アドベンチャーや珊瑚シティ、コージー・キャンプなどというデザインを創り出し、それらも大成功させました。
どちらも根底にあるコンセプトはジャングル・アドベンチャーと同じですが、各自のテーマに合わせて、独自の工夫がなされました。

このようにUXデザインを取り入れることで、多くの問題を解決することができたのです。

UXデザインを取り入れたときにおこる問題

実際にUXデザインを取り入れるときに次にような問題に直面します。
・時間がかかる
・全員が手法にとらわれがちになる
・過去のショートカットが混ざりはじめて、根拠のない独自の手法が生まれてしまう

まとめ

しかし、これはUXデザインだけではなくなれないことをするなら誰でも時間はかかってしまうし、
手法にとらわれることないようにコミュニケーションをしっかりとれば大丈夫だと私は考えています。

そして、もし本当にUXデザインを取り入れるならまず、ユーザー評価からしてみることが大事なのではないでしょうか?
なぜなら不慣れでも失敗が少なく、時間はかかるが根拠のある提案ができるようになります。
その結果なかなか方向性のきまらないクライアントからOKがでるようになります。

また、プロトタイプはしっかり行うことが大事です。
プロトタイプを繰り返しって、ユーザビリティをよくすることでクライアントに高評価をいただくことができ、その結果チームやメンバーに自信がつきます。

これらをすることで、UXデザインをしっかり理解し、そして自分たちにとってより良い結果が残せるのではないでしょうか。

ブログなのでいろいろと好き勝手書きましたが、わたしももう少し意識を向けてこれからの仕事に取り組んでいきます!
では!